年間漂着ごみ160立方㍍/池間、狩俣の調査対象地
処理費用約550万円と試算/漂着ごみ削減地域検討会
環境省の「2010年度漂流・漂着ゴミに係る国内削減方策モデル調査」の第4回(最終)地域検討会(沖縄県)が31日、市役所平良庁舎で開かれた。事務局を務める日本エヌ・ユー・エスはこれまで実施した4回の調査結果をまとめ、年間の漂着・漂流ゴミの量は調査対象の狩俣地区海岸2カ所、池間島6カ所で約160立方㍍、回収・処理にかかる直接の費用合計が約400万円、事務費などを加えると約550万円になることを示した。
また、これまでの地域検討会で指摘があった情報を追加した同省の海岸清掃事業マニュアル案を提示した。今後、全国の指定地区で行われた調査結果を反映し、3月末までにまとめる。海岸清掃事業などを実施する自治体や企業の基本マニュアルとしても活用される。
事務局は一連の調査から今後の課題として▽海岸植生帯の不法投棄について実態の把握▽プラスチックや発泡スチロール類など主要な漂着ごみの発生源特定の調査方法の検討▽干潟時のみ上陸できる海岸のごみ搬出方法の検討▽漂着ごみの実態把握のため測点を増やし観測を継続する-などを挙げている。
調査は同省が指定した狩俣と池間島の海岸で09年12月、10年2月、同6月、同9月の4回実施した。このうち、ごみの回収量が最も多かったのは2月に行った第2回調査で、最も少なかった9月の第4回の約15倍を回収してた。
この時期に漂着ごみが多いのは、冬季(10~3月)に吹く北東の季節風が影響していると推測している。回収時期については、5~6月は梅雨期、夏季は猛暑などで作業効率が落ち込むため4月ごろが効果的であるとした。
これまで回収した漂着ごみのうち、市クリーンセンターで処理可能なビン・ガラス片、ペットボトル、紙くずなどの割合は10~20%で、残りは処理困難な廃棄物と分析している。
日本エヌ・ユー・エスは県から別途依頼されている県版のマニュアルを、地域の特性に添った内容で3月末をめどにまとめる。