新型コロナ 若年層で広がる/20~40代で7割超
感染源は外出時の飲食か/4月宮古島市
宮古島市で新型コロナウイルスに感染する若者が増えている。4月の新規感染者数を見ると、20~40代の126人が感染し、全体の7割強を占めた。特に20代は3割を超える高い比率を示しており、年齢層の偏りが顕著となった。感染源の多くは外出時の会合や飲食とみられる。広がりの速さは変異株の影響とみる向きが強い。重症化リスクに対する価値観や、長引く自粛生活にへきえきした気の緩みも数字に表れたようだ。
4月の新規感染者は169人だった。年代別(このうち1人は5日時点で年代確認中)に見てみると、20代が最も多く男性17人、女性は39人の計56人の感染が確認された。全体に占める比率は33%。30代は計41人(男性20人、女性21人)、40代も29人(男性23人、女性6人)が感染しそれぞれ高い比率だった。
一方、「市中感染」が疑われた1月の爆発的な感染拡大時は、60代の18%が最も大きな比率を占めた。20代は10%をやや上回っているが、30代、40代はそれぞれ1割を切る比率で、4月と比べると年齢層の偏りが鮮明に浮かび上がった。
要因として、重症化リスクに対する考え方と、「コロナ慣れ」を指摘する声がある。高齢者と比べて重症化率が低いという認識が感染防止対策の緩みを招いたとの見方だ。感染力が強いといわれる変異株の影響も要因に挙げられている。
関係機関は、こうした若い世代の感染源の多くが飲食(接待を含む)関係とみている。感染拡大時に会見した県立宮古病院の本永英治院長は「西里や下里、イーザトを中心に(患者が)出ている」と指摘した。
併せて重症化リスクにも言及。肥満や喫煙を含めて基礎疾患を持つ感染者は重症化を招くケースがあると強調し、こうしたリスクを軽んじる世代向けに「危険な考え」と断じている。
宮古病院によると、4月中旬までに若い年代で入院した患者のほとんどが体重90キロ以上だった。重症化が高齢者に限定されないことを如実に物語っている。