「マミカツ」を再現/昔ながらに着物姿で棒振り
下地与那覇
昔ながらの豆をさやから取り出す作業「マミカツ」が5日、下地与那覇の飲食店敷地内で行われた。地域住民ら約20人が集まり、再現した。懐かしい作業に笑顔を見せながら、今後も伝承するために実施していくことを誓った。
企画した渡真利朗男さん(68)によると、昔話に花を咲かせるたびに「棒に頭をぶつけて痛かった」「大変だったがもう一度やってみたい」などと話題になっていた。友人や知人に声を掛けて今回、実現させたという。
昔は大豆が主流だったが、この日は黒豆を使って再現した。2本の棒の端をボルトでつないだ特別な道具を使用。均等にたたくために、立ち位置を移動しながら棒を力いっぱい振っていた。
さやから出た黒豆はざるに乗せ、上下に揺すりながら風を使って不要なものを取り除いた。
この日は道具だけでなく伝統芸能で使用する着物も準備。作業の前後にはクイチャーを踊って場を盛り上げた。
終了後、渡真利さんは「実際にやると重労働だと分かる。昔の人は2~3時間作業していたので、体が強かったんだと改めて感じた」と汗をぬぐった。
崎原正幸さん(90)は約65年ぶりに体験したという。「昔を思い出した。当時は夏至までに収穫をしていた。大変な作業だったが懐かしい」と話した。