硬度低減化施設を更新/機器を順次入れ替え
4年かけ、事業費22億円/袖山浄水場
宮古島市は水道水を供給する市平良西里(袖山)の袖山浄水場の硬度低減化施設の機器を今年度から4年かけて更新する。施設内にある硬度処理反応塔(ペレットリアクター)4基などの機器を順次入れ替える。事業費は22億円を見込み、今年度は6億円を計上している。防衛省の補助金を使い、補助率は3分の2。残りは起債で対応する。
1999年にできた硬度低減化施設は供用開始から22年が経過している。耐用年数は15年といわれているが、7年超過している。
島内では水道水をすべて地下水に頼っている。供用開始前、地下水は国の水質基準1リットル当たり300ミリグラムに迫る硬度だった。硬度を左右するカルシウムなど複数の成分を除去することで低減化を図ろうと実験や事前協議を経て99年に完成した。
国が定める「おいしい水」の硬度要件は1リットル当たり10~100ミリグラム。以前はやかんなどに石灰が付着したり、お茶やコーヒーがおいしくないとの苦情があったという。
機器は4基あるが、1基は予備で、稼働しているのは3基。1基の処理能力は1日約1万トン。3基で最大2万9000トンが処理できる。現在、水道水の1日平均供給量は約2万5000トンで推移している。集合住宅やホテル等の宿泊施設の建設で近年需要が増えているが、市では需要のピークを2026年の2万6800トンと予測している。そのため、機器増設は検討せず、4基で対応できるとしている。
今年度は機器製作を開始し、来年度に1基、23年度で2基、24年度で1基入れ替える。入れ替えるごとに順次稼働し、24年度中に4基の入れ替えを終える見通し。