「疲れた」「もう限界」/新型コロナ
時短要請継続に店主ら/積極的な対策求める声も
新型コロナウイルス感染症の「まん延防止等重点措置」適用が31日まで延長された。対象の宮古島市では、飲食店への午後8時までの時短営業要請が継続となった。店主らは「正直、疲れ果てている」「もう限界だ」と先が見通せない状況に憤りを示す。時短要請に応じない店もあり「もっと積極的な手を打つべきだ」との声も上がる。市は10日午後8時から、市内目抜き通りで飲食店を対象にした実態把握のパトロールを実施した。
宮古島調理師会の奥平幸司会長は「市民は新規感染者が、例えば10人出ると、『居酒屋に行ったら危ない』と過敏に反応する。行政には『この店の感染対策は大丈夫』というお墨付き的なものを示してほしい」と述べ、感染対策を徹底している店とそうでない店の区分分けが必要だとした。
宮古島社交飲食業組合の奥平玄信組合長は「我慢して閉めている店がほとんどだが、中には時短要請に応じない店もいる」と指摘。同組合独自のパトロールでは11店舗が午後8時以降も営業しているという。
「組合としては時短要請に協力するよう呼び掛けているが、お金が絡むことなので強くは言えない。行政が命令するなど、もっと積極的な手を打ってほしい」と強い措置を要望した。
飲食店の店主は「正直、疲れ果てている」と肩を落とし「協力しない店は事情もあると思うが、みんなが協力できるようなシステムをつくるべきではないか」と話した。
居酒屋を起業して22年になるという店主は「もう限界だ。本気で店を畳もうかなと考えている」と悲痛な表情で語る。「時短営業要請は中途半端だ。すべての店を休業させるなど徹底し、その分を補償する方がまだ良い」と話した。
宮古島商工会議所の下地義治会頭は「期間が長くなればなるほど赤字幅が増えることになる。特に店舗が大きければ影響が大きい」と懸念を示した。
夜の街の様子を知るため、平良の中心通りをウオーキングするという男性(60)は「午後8時以降は要請を守っている店と、そうでない店がある。このため、開いている店に客が集中している。これでは感染防止策にはならないのではないか」と疑問を呈した。