アオウミガメ2匹放流/生態調査を実施
城辺友利
生態調査を行ったアオウミガメ2匹の放流が20日、城辺友利のインギャービーチで行われた。砂川小学校の児童が参加し、ウミガメの生態について学んだ。児童たちは「元気でね」「バイバーイ」などとウミガメの姿が見えなくなるまで見送った。
このうち1匹は2012年9月に、ウミガメ研究家の小林清重さんが新城海岸で放流した個体。今月15日に砂川博一さんが八重干瀬で捕獲し、標識(タグ)に記されている小林さんに連絡した。今回の調査により、甲羅が年平均で9ミリ大きくなっていることが分かったという。
小林さんは約20年前から宮古を訪れ、生態調査を実施している。沖縄本島や石垣島と比べて宮古島は調査データが少ないという。これまでに宮古島で幼体約150匹、成体約40匹を調べている。
小林さんは、集まった児童たちにアオウミガメの生態を紹介し、「海の生き物を大切にしてほしい。もし標識を付けたウミガメを捕まえたら教えてほしい」と呼び掛けた。
放流前には甲羅などに触れた。中には怖がってなかなか触れない児童もいれば、頭やひれを積極的に触る児童もいた。
児童からは「青くないのに、なぜアオウミガメなの」と質問の声が上がった。小林さんは「英語名はグリーンタートル。信号の緑と同じだから青という名前になった」と説明した。
松元琉惺君(6年)は「ウミガメに触ったのは初めて。甲羅は堅かったけど、ひれは柔らかかったことが不思議だと思った。海に帰って幸せに暮らしてほしい」と話した。