内定100%も実数大幅減/新規高卒就職
コロナで求人出遅れ影響
宮古公共職業安定所(ハローワーク宮古、阿部祐士所長)は今年3月に卒業した高校生の就職状況をまとめた。就職を希望するすべての新卒者が内定したが、実数は過去5年間で最も低い数字になった。阿部所長は「進路指導がほぼ終わった9月に求人が出始めた。求人がなく進学にシフトしたり、コロナの影響で保護者を含め県外就職を避けたのではないか」と分析している。
今年3月の高卒者は493人。うち61人が就職を希望。県内で41人、県外で20人の就職が決まった。県内のうち23人が島内で就職した。
就職希望者は前年同期比で35・1%(33人)減少。県内希望は2割減だったが、県外希望は半減した。新型コロナウイルス感染拡大が影響し、自由な行き来が制限されている県外での就職をちゅうちょしたとみられる。就職希望は宮総実高は半数で、次いで宮古工業、宮高では10人以内が就職する。
管内の求人は119人で同38人減少。宿泊・飲食サービス業の48人が最も多く、サービス業38人、建設業19人と続いた。
阿部所長は今回の状況を「求人受け付けが始まった6月には2件しかなかった。9月から出始めたが、すでに8、9月には各校で進路指導があり、就職を断念し進学にシフトした学生もいたのではないか。早い段階で学生に多くの選択肢を提示することが大事。コロナの影響で厳しかった」と振り返った。
過去5年間の状況を見ると、2017年83人、18年87人、19年95人、20年94人、21年61人が就職を希望した。ほぼ内定率100%で、20年のみ94人のうち91人が就職した。