対面授業制限、部活停止/県立学校の休校始まる
「学びの保障」に創意工夫/新型コロナ
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、7日から県立学校の一斉休校が始まった。各校ともインターネット等を活用した課題学習の提供を始めている。ただ、対面授業が制限される中、デジタル空間における教育の質の確保については未知数な部分が多い。運動面においても部活が停止されるなど、全国、九州インターハイを控える生徒たちの体力の維持や調整に影響が出ることは必至だ。
休校期間中、宮古高校はオンライン授業と課題学習を並行して実施することを決めた。8日に生徒を分散登校させて周知する。
宮古工業は課題学習で休校期間を乗り切る。インターネット上のデータに生徒自身がアクセスして学ぶシステムを有効的に使う。
宮古総合実業も課題学習で対応する。2週間分の課題を生徒たちに与える。
3校とも、生徒たちには不要不急の外出を控えるよう呼び掛けている。宮総実はホームページに「友人同士で遊びに行くなど不要不急の外出を慎み、与えられた課題をするなど基本的に自宅で過ごすように」との通知を掲載して生徒や保護者に理解と協力を求めた。
休校措置について宮古工業の知念俊一郎校長は「まずは子どもたちの命と健康を守ることが優先だ。感染が拡大し、子どもたちにも危険が及んでいる」と危機感を示した。その上で「休校を終えた後は、必ず(課題学習の)効果を確かめるなどして子どもたちの学びを保障したい」と話した。
部活動は3校とも原則休止となる。全国、九州インターハイを控える生徒も現時点では例外なく部活での練習は認められない。生徒たちは「この時期の停止は厳しい」と話しており、上位大会に向けて調整不足等が生じる可能性がある。
ボクシングは、緊急事態宣言解除後に実施される予定だ。宮工ボクシング部の生徒を指導する元プロボクサーの知念健次さんは「この時期に部活動に取り組めないのは正直痛い。特にボクシングは試合に向けて体重の調整などもある」と焦りを隠さない。ただ、「今は仕方がないこと。九州に向けては自主練で対応していきたい」と前を向いた。
一方、中止となった重量挙げの九州大会に出場する予定だった宮高生徒の落胆は大きい。顧問の平良一悦教諭は「最後の大会となる生徒もいたのでショックは大きいようだったが、こればかりは誰を責めるわけにもいかない。全国大会には2人が出場するのでみんなで盛り上げたい」と話した。