事業者助成金、増額を/保守系市議
修正予算案の提出視野/総務財政委 表決を見送り
市議会に関連予算が提出されている市の事業者助成金事業をめぐり、野党保守系の市議が事業費を積み増す修正予算案を提出する構えで検討に入った。新型コロナウイルス感染症の影響を受ける事業者への給付金を増額するよう求める。事業費を含む補正予算案を審査した市議会総務財政委員会は11日、予定していた同日の表決を見送った。6月定例会の開会中に再度委員会を開いて審査する。
この事業では、一定の条件を満たす事業者に1店舗当たり一律10万円を給付する。一定の条件とは、市が県分に上乗せして出す営業時間短縮要請協力金や、市の家賃支援助成金を受給していない事業者を指す。
昨年度も同類の事業を2度実施しているが、今回は支援対象枠を大幅に広げて事業化しており、食堂や喫茶店、映画館やボウリング場、写真館なども対象に加わる。市は対象店舗を約500軒と見込んでおり、総額5000万円を補正予算案に盛り込んでいる。
総務財政委員会は、この事業の予算を含む2021年度一般会計補正予算案を10、11両日に審査した。その結果、保守系の委員から事業の拡充を求める声が相次いだ。前里光健氏は「果たしてこの5000万円は十分な予算なのか。何らかの付帯意見を付けるべきではないか」と提案した。
これに新里匠氏は「付帯意見では(給付額は)変わらない。それならば、委員会として修正して認めた方が良い」と踏み込んだ。
最終的に、上地廣敏委員長が修正予算案の提出も含めて各委員に検討を重ねるよう求め、同日における議案の表決は見送った。
今後は保守系市議の間で練られる修正予算の内容が注目される。内部では給付額を市が計画する10万円から20万円に引き上げる案もある。この場合の予算額は倍増の1億円に膨らむ。
ただ、財源確保に係る当局側との調整や、従来実施してきた給付事業との公平性なども考慮しなければならないため、今後の展開は流動的な要素も多い。