コロナ影響で3倍増/沖縄公庫宮古支店
20年度融資、過去最大1269件177億円
沖縄振興開発金融公庫宮古支店(嶺井忍支店長)は17日、2020年度融資実績をまとめた。新型コロナウイルス感染症の影響を受けた事業者の需要が大きく、実績は件数で前年度比157・9%増の1269件、金額で同297・5%増の177億5900万円で過去最高となった。
公庫では20年1月に新型コロナ関連特別窓口を設置。同支店では4月から融資相談が殺到し、6月までの3カ月で融資額が100億円に達するなど急激に増加した。
資金の使途別では、新型コロナ関連の特別貸付の大幅な需要増と設備投資マインドの低下で、例年4、5割で推移している運転資金の構成比が9割を超え、94・8%を占めた。
資金別では、生業資金が前年度比383%増の127億2300万円、中小企業資金が同224%増の43億8500万円と大幅に増加した。生活衛生資金、医療資金、農林漁業資金などすべての事業系資金が前年実績を上回った。
業種別では新型コロナの影響が大きい宿泊・飲食サービス業が43億円、卸売・小売業、サービス業がそれぞれ33億円、建設業が21億円、製造業が20億円。不況に強いといわれる医療福祉や士業、農林水産、教育、IT関連などあらゆる業種で融資金額が増加した。
新型コロナ特別貸付が増えたことで、マル経資金(小規模事業者経営改善資金)と沖経資金(沖縄雇用・経営基盤強化資金)は減少した。
嶺井支店長は「新型コロナで影響を受けている事業者の資金繰り支援の対応を含め、多様な資金ニーズに適切、迅速に対応していきたい」と話した。