市長不信任案を否決/市議会
「し尿処理」「公約違反」問う/野党市議9人が反対に回る
宮古島市議会(山里雅彦議長)は22日、6月定例会の最終本会議に提出された座喜味一幸市長に対する不信任決議案を賛成少数で否決した。決議案では、し尿処理施設整備事業をめぐる当局の「不明確な答弁」および選挙公約の「変更や撤回」に関する座喜味市長の姿勢が問われた。挙手による採決の結果、与党の5人に加え、野党9人が反対に回った。賛成者は野党の9人だった。市長に対する不信任決議案の提出は2007年12月以来。
不信任決議案は、濱元雅浩氏が提出した。賛同者は新里匠氏と前里光健氏。
採決で賛成したのは3氏のほか▽平百合香▽平良和彦▽狩俣政作▽高吉幸光▽砂川辰夫▽棚原芳樹-の計9氏。
一方、与党の下地茜、仲里タカ子、島尻誠、友利光徳、上里樹の5氏に加えて野党の▽狩俣勝紀▽下地信広▽我如古三雄▽下地勇徳▽粟国恒広▽上地廣敏▽平良敏夫▽佐久本洋介▽真栄城徳彦-の9氏が反対。これにより、決議案は賛成少数で否決された。
決議案では、議会で決議されたし尿処理施設整備事業について「(市長が)独断で事業中止と決し、当該事業に係る国庫補助金の受け入れ拒否を担当省庁に申し入れた」とした上で「この不祥事は、市民の生活衛生環境の安定性を著しく妨害しただけでなく国との信頼関係を一方的にほごにしたことで、市の将来設計を破壊した」などと断じた。
さらに、市長選挙で掲げた新型コロナ陰性証明提示の義務化や所得10%向上に関し、「相次いで撤回や変更を繰り返す責任感の欠如した姿勢は市民に対する不敬の極み」と糾弾した。
討論で仲里氏は「決議の内容は事実ではない」と反対の立場を表明。賛成討論に立った前里氏は「公約責任を放棄していると言わざるを得ない」「議会の承認を得ずに計画を勝手に変更する指示を出した」などと主張し、「市議会として見過ごせない」と述べた。
これに上里氏は「(し尿処理施設整備計画は)勝手な見直しではなく、きちんと検討を加えて、市民負担がないようにという観点からの変更だ」と強調して決議案に強く反対した。