搬入先、荷川取優先/市し尿処理施設整備
処理困難時のみ伊良部/輸送コスト高回避で業者意向
市伊良部佐和田で進めているし尿処理施設整備事業の見直しを検討している問題で、市が許可している浄化槽清掃業者の多くが、伊良部で整備された場合でも現在、搬入している下水道処理施設(市平良荷川取)への搬入を優先し、できない場合のみ、伊良部へ搬入すると考えていることが分かった。中には伊良部へ運ばないと考えている業者もいる。遠距離によってかさむ輸送コストを削減することが狙いで、搬入量が減ることで新施設計画は稼働率低迷も懸念材料として浮かび上がった。
市の許可業者は11社。9社が宮古島、2社が伊良部島に拠点を置く。伊良部の2社は伊良部での施設整備に賛成で「問題なし」と答えている。9社は伊良部での整備に反対している。調査は今月初旬、全業者に対して行われ、現在の下水道処理施設への投入方式の現状や伊良部で施設が整備された場合の対応、問題点を聞いた。結果を踏まえながら、業者らは座喜味一幸市長と意見交換を行った。
ある業者は「伊良部には反対した。しかし市は聞き入れなかった。今の施設も、これまで通り使うということだったので、じゃあ勝手にやってくれという感じだった。伊良部にできても、荷川取に運ぶつもり」と憤った。
反対している9社は遠距離の伊良部での施設整備が経営を圧迫し、輸送コストや処理量減を利用料金に転嫁せざるを得ないと考えている。業者らは搬入先について「荷川取に搬入し、その後に伊良部に行くと思う」「利用する意思はない。従来通り」「荷川取の施設を継続使用」などと答えている。
座喜味市長が現計画の見直しを検討していることについては、伊良部の2社以外は評価している。