農作物被害2億6900万円/キビが9割占める
出荷中のオクラ2000万円/台風6号
宮古島市は25日、台風6号の農作物等被害速報を発表した。それによると被害額は2億6907万円で、被害の90%をサトウキビが占めた。サトウキビは倒伏が見られるものの梢頭部折損は少なかった。今後は、塩害などの被害が懸念されるため、市では「散水などで塩害対策をしてほしい」と呼び掛けた。また、出荷ピークの終盤となっているオクラも約2000万円の被害が出た。
サトウキビの被害額は2億4286万円。サトウキビの被害面積はほぼ全域の5120ヘクタール。作型では春植えや株出し栽培で梢頭部折損の割合が高かったとみられる。市農政課では「折損被害は多くはないが葉先が傷むなど今後の成長が鈍る可能性が懸念される。また、台風後に雨が降らなければ塩害被害にもつながる。農家の皆さんには散水などで塩害対策をしてほしい」と述べた。
このほか、野菜の被害額は1966万円だった。主な被害はオクラ。オクラは出荷のピークの終盤に差し掛かっており、多くの農家が直前まで収穫していたため、切り落とし作業が遅れ、強風による果実の擦れなどを受け、20日程度の出荷停止が見込まれている。
果樹の被害額はマンゴーの55万円。主力のアーウィン種の収穫がほぼ終了しているため、被害はキーツ種など一部で、強風による落果が確認された。また、家畜では子牛が死亡し30万円の被害額となっている。一方、公共施設の被害は旧平良庁舎の地下駐車場のシャッター破損で50万円、城辺長間の宮古馬放牧場の柵の倒壊で348万円となった。
今回の台風被害を受けて、会見した座喜味一幸市長は「今回、瞬間風速は38メートルで返し風もほとんどなかった。サトウキビの梢頭部折損などは少ないようで被害が少なく済んだと思う。オクラなど路地野菜は軟弱なので被害が出ている。台風で雨はあったが少ないので塩害被害が懸念される。塩害による被害拡大がないことを期待している。公共施設などについても被害は少ない」と話した。
宮古島地方は21日から24日にかけて台風6号の暴風警報が発令され、79時間に及ぶ異例の長さとなった。最大瞬間風速は下地島空港で38・6メートル(23日午前8時37分)を観測した。降り始めからの雨量は▽城辺175・5ミリ▽宮古島(下里)141・0ミリ▽宮古空港138・5ミリ▽下地島空港91・5ミリ▽多良間空港75・0ミリ-だった。