スプリンクラー初稼働/伊良部島で散水始まる
地下ダム用水/農業振興に期待
地下ダムからくみ上げられた農業用水のスプリンクラーによる散水が2日、伊良部島で始まった。同日、市伊良部長浜の魚口地区で散水式が行われ、農業関係者が集まり、農業振興に期待を寄せた。伊良部島では給水施設(Ⅲ型)が1カ所整備されていたが、スプリンクラー(Ⅰ型)による農地への散水は初めて。
伊良部島への農業用水は仲原地下ダムから上野野原の宮古吐水槽、伊良部大橋を経由して牧山ファームポンドに送られる。散水が始まったのはほ場整備事業が進む魚口地区(59ヘクタール)のうち、かんがい施設が整備された6・4ヘクタール。順次、拡大していく。
座喜味一幸市長は「地下ダム事業は宮古の経済の大きな基盤となり、農業も大きく展開している。伊良部島に年間を通し安定して水が供給される。事業が遅れている部分もあるが、バルブをひねれば水が使えるという状況をつくっていくことが行政の使命。農家の要望に応えられるように事業を推進していきたい」と期待を寄せた。
宮古伊良部農業水利事業所の當銘俊明所長、県宮古農林水産振興センターの砂川喜信所長、長濱武二・魚口地区推進委員長があいさつした。
伊良部さとうきび生産組合の池間藤夫組合長は「スプリンクラーが入ることによって農家はとても助かる。夏場は雨が少なくて、大型ダンプで散水していた。栓をひねるだけというのは農家の労働力の削減、サトウキビの反収アップにもなる」と喜んだ。
地下ダム事業は地下ダムと幹線用水路、ファームポンド(貯水槽)などの整備を国が担い(国営事業)、ほ場、引き込み用水路、かんがい施設の整備を県や市町村が担う(県営、団体営事業)。かんがい施設の管理は宮古土地改良区が行っている。