低い外出自粛の意識/市要請も以前と変わらず
「ロックダウン相当」に疑問も
新型コロナウイルスの感染急拡大を受けて今月1日に玉城デニー知事、2日には座喜味一幸市長が相継いで2週間の外出自粛要請を県民や市民らに求める緊急メッセージを発表。期間中は「ロックダウン相当」と位置付けられ、「行動抑制」が求められた。要請から1週間が過ぎたが、市民からは「(日々の生活は)要請以前と何も変わっていない」「いまだに店で酒を飲んでオトーリをしている人たちをどうにかしてほしい」などの声が上がっている。
県、市が緊急メッセージを発表した後には、県内の新規感染者数が初めて600人を超え、数日間は500~600人台で推移した。
今回の緊急メッセージは、さらなる拡大を阻止するためのものであるが、これまでも自粛の日々を過ごしてきた市民からは県や市の要請に対して「これ以上何をすればいいのか」と困惑の声が広がっている。
50代の主婦は「(自粛要請後も)これといって変わったことはないが、以前から買い物時間を比較的人が少ない朝のうちに済ませているくらい」と話した。
61歳の会社員男性は「マスク着用、手指の消毒、うがいは昨年から毎日、欠かさず行っている」と述べ、自粛要請後も特に変わったことはないという。
60代の自営業の男性は「ロックダウンと言われても、島の社会は以前のように普通に動いているし、何か変化した様子もない。もともと、私は人の多い場所は避けていたので、これ以上何を自粛するのか見当もつかないよ」と話した。
40代の女性は「私たちに自粛を求めながら、感染拡大している東京や大阪などからどんどん島に来島しているし、島の大人たちもいまだにお店で酒を飲んでオトーリを回しているとの話もよく耳にする。大人の自覚の問題だと思う」と、あきれ顔で話した。
玉城知事、座喜味市長ともこの2週間を「ロックダウン相当」と強調して、県民、市民に理解を求めた。
明確な定義はないが都市封鎖と訳される「ロックダウン」とは、一定期間、対象とする地域で人の移動を制限したり、企業活動を禁じたりする厳しい措置だ。
しかし、そう位置付けられた現在の自粛期間においては、島の社会にも島民の生活にもその緊張感は広がっていない。