ナスミバエ侵入を防止/防除対策宮古支部を設置
ナス科の果実に寄生し腐敗させるナスミバエが沖縄本島や与那国島で発生している中、ナスミバエ防除対策宮古支部が8日設置された。支部長は県宮古農林水産振興センターの砂川正幸所長が務める。砂川支部長は「宮古では発生していないが、万が一の場合は、風評被害につながりかねない」と警鐘を鳴らした。
同日、第1回会議が県宮古合同庁舎で開かれ、行政やJAの支部会員らが出席した。
事務局の説明によると、ナスミバエは東南アジアなどに広く分布する。国内では1984年に与那国島、昨年12月に沖縄本島で発生が確認された。
寄主植物はナスやトマト、ピーマン、トウガラシ、ホオズキなどのナス科。雌が果実内に卵を産み、ふ化した幼虫が果肉を食い荒らして腐らす。
成虫が飛び回るため農薬防除が困難とされる害虫だが、寄主植物の国内での移動制限はない。
成虫の体長は6~8㍉で、ハチに似たハエ。体色はウリミバエの茶色に対し、ナスミバエは全体的に黒っぽい。成虫をおびき寄せて取る黄色粘着トラップで発生を確認できることがある。
対策本部は早期発見や侵入防止のため、成虫の写真や対策などを記したチラシを作製した。
成虫や被害果実を見つけた場合は「県病害虫防除技術センター宮古駐在(電話73・2634)などに連絡を」と呼び掛けている。
宮古や八重山に侵入させない対策については①沖縄本島からナス科野菜を仕入れる際は、異常な果実がないかを確認②実の付いたナス科野菜の苗や観賞用植物(七色唐辛子、ホオズキ類、ツノナスなど)の沖縄本島からの仕入れは控える③島トウガラシは冷凍・乾燥させた果実か加工した状態で仕入れる-などの注意点を挙げた。
宮古支部は対策本部で定められた基本方針の下に調査や防除対策、侵入防止対策などを推進する。