交信かく乱法確立へ/ケブカアカチャコガネ
生態調査で幼虫を採取
さとうきび技術員会や病害虫対策協議会によるケブカアカチャコガネの幼虫採集作業が9日、平良野原越と城辺上区のほ場で行われた。両団体のメンバー約30人が参加し、生態を調べるために数千匹の幼虫を採集した。集めた幼虫は茨城県つくば市の農業生物資源研究所に送られ、成虫の交尾を阻害する交信かく乱法の確立に向けて研究が進められる。
ケブカアカチャコガネの幼虫はサトウキビの根などを食い荒らす土壌害虫。防除法は確立されておらず、現在は雌の性フェロモンで雄を誘引し、成虫の交尾を阻害する交信かく乱法の研究と実証試験が行われている。
今回の幼虫採集は3年連続。交信かく乱法の精度を高め、より効果的な防除法を確立するために実施されている。集めた幼虫は同研究所で成虫になるまで飼育して交信かく乱の実証試験を行う。
作業の参加者は農具を手に次々と幼虫を採取した。幼虫は腐葉土が入った小さな容器に餌のサトウキビと一緒に詰め込んだ。
県農業研究センターの上席研究主幹の新垣則雄さんは「幼虫を成虫にし、交信かく乱のメカニズムを解明しながらより良い交信かく乱法の技術を確立していきたい」と話し、早期防除法の確立に意欲を示した。