既存施設活用へ/し尿処理調査特別委
コスト低減理由に/市が見直し案、質疑終了
市議会の市し尿等処理施設整備事業に関する調査特別委員会(濱元雅浩委員長)の第10回委員会が10日、市議会全員協議会室で開かれた。市側は見直し案について、前処理施設の新設と下水道投入施設の機能強化であることを明らかにした。質疑は同日で終了し、22日の最終本会議で報告される予定。
前処理施設は、下水道投入施設に隣接させる予定。隣接できない場合は、下水道施設の用地内で建設する考え。両施設をパイプ4本で結び、処理を行うという。
6月議会の時期は、投入施設と前処理施設を一つにまとめて新設する一体型の考えだったが、コスト低減のために既存施設を活用する方針に転換した。
平百合香委員は「この方式に決めた最大の理由は何か」と回答を求め、市の担当者は「コスト低減が理由」と述べた。
濱元委員長は「見直すならば一体型や荷川取でのし尿処理施設の建設は考えたのか」と質問。友利克生活環境部長は「見直しの原点は共同化なので、単独で処理する施設の整備は議論していない」と説明した。
前里光健委員は「貯留槽を使えば一定期間は大丈夫と言うが、期間はどのくらいか」とただした。友利部長は「推計では2028年までしのげるだろうと見ている」と答えた。
また、8日に行われた文教社会委員会の中で、し尿等の搬入量制限について翌日から解除する考えを示したが、実行されなかったと指摘。管理する業者と協議した結果、10月から段階的に解除することを報告し、友利部長が「軽率な発言だった」と陳謝した。
10回にわたった委員会はこの日で終了した。今後は濱元委員長が報告書案をまとめ、14日をめどに委員らに配布。その後、意見を集約した上で、22日の最終本会議で報告される見込み。