全市民に対象拡大/まずは接種済み先行
市、補正予算案を追加提出/ワクチン接種クーポン事業
開会中の市議会(山里雅彦議長)9月定例会は14日、本会議が開かれ、座喜味一幸市長が新型コロナウイルス経済振興事業としてワクチン接種を終えた12歳以上の市民に1万円分のクーポン券を発行するための予算として4億7000万円の補正予算案を追加提出した。一部議員は対象を全市民としないことは不平等と指摘したが、市当局は接種済み者を先行させ、その後、対象を全市民に拡大する方針を示し理解を求めた。
今回の事業は、新型コロナの感染拡大を抑制しつつ、経済を回復させるための施策として、2回のワクチン接種を終えた12歳以上の対象者に、感染対策が徹底されていると認められた店舗などで利用できる1万円分のクーポンを発行するもの。予算額は4億7474万円で、市の貯金に当たる財政調整基金を取り崩し、一般会計に繰り入れることが提案されている。
議案に対する質疑で平良敏夫氏は12歳以上のワクチン接種者に限定されていることに「不平等感が否めない」と指摘した。
それに対し垣花和彦企画政策部長は「あくまでも当面の間、先行し、感染対策を取りながら経済対策を行っていくということ」と説明。「現段階では感染防止に最も有効であると言われているワクチン接種を行った市民を対象に経済対策を取っていき、状況を見ながら、全市民を対象に拡大していきたい」との考えを示した。
対象を拡大する場合の予算措置について粟国恒広氏がただしたのに対し垣花部長は、新年度予算で新たに計上することを検討していると答えた。
新里匠氏は同事業についいて、ワクチン接種率を高めるための取り組みと捉えて良いのかと座喜味市長に見解を求めた。座喜味市長は「この事業はワクチン接種に協力した市民が当たり前の生活に戻り、当たり前の購買に戻っていくというもの。できればワクチン接種率をこの事業で高めていきたい」と語った。
1人1万円とする根拠を質問した濱元雅浩氏に垣花部長は、これまで市が実施したプレミアムクーポン券の実績や県内他市町村のクーポン発行事例などを参考に設定したと説明した。