廃校施設が原野に/維持管理、議会で指摘
周辺道路にも繁茂、景観損ねる
宮古島市で廃校になった一部の施設で、雑草が伸び放題となり原野化している。市議からも「森になっている」との指摘があった。雑草は施設を飛び越え、通学路だった道路にも繁茂し景観を損ねている。雑草の成長が早く、除去が追いつかないと見られる。市教育委員会によると、廃校になった小中学校は計9校で、雑草の除去などの維持管理費は年間1800万円。17日の市議会9月定例会一般質問で、仲里タカ子氏が廃校の維持管理などについて当局をただした。
一般質問で指摘を受けた旧伊良部小学校。正門から見える景色は雑草が繁茂し、通学路だった学校周辺道路もアスファルトが見えないほど生い茂っている。歩道を行き交うのも難しい状況だ。
一般質問でただした仲里氏は「伊良部小学校はすでに森に変わっている。たった1~2年でこうなるのかと驚いている。地域住民から寂しいとの声が聞こえている。管理状況はどうなっているのか」と見解をただした。
答弁で上地昭人教育部長は、学校統廃合により廃校になった小学校は5校、中学校は4校。その維持管理のため警備業務や、消防用設備の補修業務など、年間1800万円の維持管理費を要していることを説明した。
「(校内が)森になっている」との指摘については「各学校は1カ月に1回、廃校については2カ月に1回巡回し、6人の作業員を要して草刈りを実施している」とした上で、廃校については「市民からの苦情もあるので対応したい」と述べた。
具体的には、校内の雑草除去は教育委員会が対応するとし、道路部分の雑草については道路管理者で取り組んでほしいと要望した。
上地部長は、廃校となった砂川中、城辺中はすでに跡利用が確定しており、次年度以降は他部局、民間で管理することが決まっているほか、指摘された旧伊良部小は民間利用が検討されていると答弁。多額な維持管理費が必要な状況については「いずれにしても早急な跡利用か解体により、管理費用を削減する必要がある」との見解を示した。