犬の捕獲数は83匹/殺処分「ゼロ」継続
行政、団体などの活動成果/宮古保健所管内
20~26日までは2021年度の動物愛護週間。広く国民の間に動物に対する愛護と適正な飼養についての関心と理解を深めるようにするために設けられた。数年前まで、宮古島市における年間の犬の殺処分数は東京都の年間殺処分数を上回る状況だったが、行政や譲渡活動を精力的に展開した地域のボランティア団体の活動などの成果で19、20年度と2年連続で殺処分は「ゼロ」となった。宮古保健所ではこうした状況を継続していくために着実な活動の継続を訴える。
動物愛護週間始まる
21年度の捕獲数(16日現在)83匹に対し殺処分数は「ゼロ」を継続している。うち、持ち主への返還が19匹。かなり弱った状態で運び込まれた1匹は施設内で死亡した。そのほかは譲渡、残り数匹は施設内に収容されている。
同所は「捕獲数は大幅に減少した昨年度とほぼ同じペース。殺処分ゼロの継続はボランティアの頑張りや避妊、去勢手術の必要性に対する飼い主の意識が浸透したことも影響していると思う」との見解を示した。
最近の特徴は老犬の収容。保護された老犬を保健所に迎えに来た飼い主からは「まさか保健所にいるとは」の反応だったという。「その飼い主も周囲から『保健所に行ってみたら?』と促されて、訪れたところ再会できた。
「森の中などと違い、街中で保護された老犬は長年飼われていた可能性が高い。長年飼った犬を迎えに来ない理由が分からない」と指摘。「もしかしたら飼い主に『保健所に保護されているかも?』との認識が薄いのでは」と話し、飼っていた老犬が見つからなくなった場合は、保健所への問い合わせを呼び掛けている。
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猫は野良猫として持ち込まれたり、飼い主が飼い続けることが難しくなったりするケースがほとんど。
今年度は16日までに43匹が収容され、そのうち1匹は飼い主のもとへ、ほかは譲渡か同保健所管内で新しい飼い主が現れるのを待っているのが現状だ。
同所は「猫は犬に比べて避妊、去勢手術をするという飼い主の意識が低い。増えてしまって持ち込まれるケースもあるので、そうなる前に呼び掛けている」と話す。
猫は基本的に室内飼養を呼び掛けているが一方で、「どうしても家から出てしまう環境であれば、避妊、去勢手術をするだけで行動範囲が変化し、メスを探しに遠くへ行かないで済む。そうなれば交通事故に遭う可能性も低くなる」(同保健所)
野良猫でも人が家できちんと飼えば20年以上生きる場合もある。しかし、野良猫のままだと平均寿命は3~5年といわれている。さらに、子猫のまま死んだり、成猫になっても病気や交通事故などで早世するケースも多いという。