国に計画変更申請/新し尿処理施設建設
平良荷川取に見直し/下水と一体処理、24年供用目指す
伊良部佐和田で計画していた新し尿処理施設建設の見直しを検討していた座喜味一幸市長は国(防衛省沖縄防衛局)に対し、計画変更を申請した。見直し案では、し尿を平良荷川取の下水道終末処理場に投入するための前処理施設を整備するとしており、事業費は当初計画の36億円から22億円に圧縮される。市は供用開始を当初計画の2024年度を目指すとしている。
計画変更申請は9月30日付。1日、座喜味市長が会見し、これまでの経過を説明した。座喜味市長は「これまでの経過を防衛局に理解してもらい、変更申請書を提出した。今後は防衛局で変更案を審査してもらい、承認をいただくことになった」と述べた。防衛局に対して▽国が進める4省一体処理、共同化を図る▽事業費の効率化、適正化▽し尿処理業者、市民負担の増加の懸念-などを説明したという。
座喜味市長は「議会でも事業がなくなるのではないか、獲得できた予算が執行できなくなるのではとの不安の意見があったが、防衛局に理解していただいた」と説明した。
生活排水の下水道、農漁業集落排水、し尿の処理はそれぞれ所管省が異なる。下水道は国土交通省、集落排水は農林水産省、し尿は環境省。本来、し尿は下水道施設では処理できない仕組み。市のし尿処理はクリーンセンターの建て替えの際に、県知事の認可を得て下水道の処理施設に希釈して投入する方法に変わった。市には現在、し尿処理施設はない。一時的に下水道施設を借りて処理している状況。
市は、19年3月にいったん平良荷川取の投入施設を増強することを決定していたが、わずか1年後の20年3月には、伊良部佐和田でし尿処理施設を整備する計画に転換している。転換の理由について「十分調査できていない部分もある」としながらも「防衛予算が確保できるということがあったのではないか」と推察した。