市立平良図書館/49年の歴史に幕
長い間お疲れさま/新図書館へ期待込め 関係者集い閉館式
市立平良図書館の閉館式が28日、同館で行われた。関係者が出席し49年間の歴史に幕を下ろした。建物は取り壊す予定で跡地利用については未定。同館は市役所平良第二庁舎(旧宮古支庁舎)1階へ一時移転しており、6月18日から業務を再開する。
市立図書館は、新図書館が建設されるまでは平良第二庁舎と県立図書館宮古分館との2館体制となる。
同館は1961年、宮古琉米文化会館として落成。73年に旧平良市に無償譲渡され、平良市文化センターに名称変更した。
86年に平良市立図書館としてサービスを開始。2005年10月の市町村合併で宮古島市立平良図書館に改称された。
閉館式で長濱政治副市長は「お疲れ様でしたと言いたい。これからは新しい図書館建設に向けまい進していく」とあいさつ。歴代図書館長を代表して第2代館長の東風平紀子さんは「赤ちゃんからお年寄りまでが自分の書斎や茶の間のように利用し、市民の暮らしに根付いていた」と振り返った。その上で「新図書館建設に向け、行政とタイアップして良い図書館を作っていければ」と話した。
利用者を代表して野中友貴子さん(北小5年)は「思い出のいっぱい詰まった図書館が引っ越しすると聞いて寂しいけれど、新しい図書館で新しい本に出会い、楽しい思い出を作りたい」とあいさつ。姉の美希子さん(北中3年)は、市立図書館で本をたくさん読んだ思い出と新しい図書館に期待込めて描いたという絵を長濱副市長にプレゼントした。
同館で1985年から活動していたボランティア団体「おはなしの会たまてばこ」が人形劇で歴史を振り返り、名残を惜しんだ。同会は引き続き、市役所平良第二庁舎で活動を再開する。
新図書館(中央委図書館)は、新築移転後の宮古病院跡地に整備される計画。新病院の開院は2013年5月を予定していることから、建設はそれ以降となる。合併特例債活用期限となっている15年度までの工事請負契約終結を目指す。
中央図書館建設計画案によると、新図書館の延べ床面積3394平方㍍で、蔵書は10万冊(収蔵容量は25万冊)。館内には、調べ学習コーナーやビデオ、DVDなどが視聴ができる視聴覚コーナー、児童図書スペースを設置。読み聞かせや紙芝居などを行うお話しの部屋、インターネット・地域情報コーナー、視覚障害者が自動音訳機を使用して読書ができる対面朗読室、デジタル情報編集室などの整備が計画されている。