開催有無きょう決定/牛6月競り市 県とJAが最終調整
宮崎県で拡大している家畜伝染病口蹄疫(こうていえき)問題で、県とJAおきなわは30日、6月の家畜競り市に向けて最終協議を行い、開催の有無を決定する。31日に記者会見を開いて正式に発表する予定。本紙の取材に県畜産課は「状況は刻々と変化している。開催の有無は直近の情報を基に判断したい」とし、月末の情勢を見極めて最終判断する意向を示した。
6月競りの開催に向けては県内でも賛否両論があり、県畜産課によると、肉用牛農家からは開催を求める声が強く、養豚や酪農農家からは「競り開催はリスクがある」とする慎重論が多いという。
同課は、競り手続きの関係から30日には最終結論を出す。「JAのトップとこちらの部長で話し合い、最終的な結論を出したい」などとしている。
口蹄疫は4月20日に宮崎県で発覚した。その後は同県内において広がり続け、今月28日現在で224例の感染が疑われている。
口蹄疫の侵入防止を目的に、県は競り市場を運営するJAに対して5月競り開催の自粛を要請。JAがこれに応え、県内すべての競りを中止している。
競り中止に伴う生産農家の経済的損失は大きく、JAは農家に仮渡し金を支出、宮古島市は素牛購買者の旅費の一部を負担する支援策を講じる。
県やJAは口蹄疫の終息を前提に6月競り開催の方向で検討を進めてきた。しかし宮崎県内の感染疑似牛は日ごとに増加、防疫重視の観点から開催決定は先送りされてきた。