沖縄と共通文化圏/博物館講座
12~13世紀の宮古
企画展「宮古人のルーツを探るPart1-12~16世紀の宮古-」の関連講座が19日、市総合博物館で開かれた。同館学芸員の久貝弥嗣さんが「12~16世紀の宮古~遺跡の発掘調査からみる歴史~」、元琉球大学准教授で形質学専門の土肥直美さんが「12~16世紀の遺跡から出土する人骨の特徴」と題して講話した。
その中で、久貝さんは「宮古は12~16世紀に北方から新たな文化の波及があり、沖縄本島と共通の文化圏に入った」と強調。土肥さんは「宮古からは保存状態の良い先史時代の人骨は見つかっていない。その先史時代人を求めて、3月5日から城辺の浦底遺跡で発掘調査を行う」と語った。来場者らは、祖先に思いを馳せていた。
久貝さんは「交易ルートからヒト・モノの流れを推察する。宮古では、12世紀以前は無土器時代。12~13世紀に沖縄本島と共通文化に入ったが、宮古は独自の地域性を保った。北からは滑石製石鍋やカムィヤキ(類須恵器、亀焼きとも言う)、白磁玉縁碗が入って来た」と説明した。
さらに久貝さんは「13~14世紀の遺跡からは野城式土器、耳を持つ鍋形の土器が出土する。また福建省産の白磁も出る」と語った。
土肥さんは、県内の出土人骨を説明した上で「島尻地区の長墓は、先史時代を研究する上で大きなポイントとなる。12~16世紀の外間遺跡から出土した男女の人骨2体をDNAで分析した結果、男性は北アジアに多いタイプ、女性は沖縄に多いタイプであることが分かった」と話した。