旧市町村で違い鮮明/市町村合併5年の評価
市民意識調査結果
宮古島市は21日、昨年12月に実施した市民意識調査の集計結果を発表した。「市町村合併して良かったと思うか」との設問に対する回答を旧市町村別で見ると、平良地区では合併を評価する意見が否定的な意見を上回ったものの、伊良部地区では同数、城辺、下地、上野地区では否定的な考えの方が肯定的意見を上回るなど、平良地区と旧郡部で合併に対する評価の違いが鮮明に現れる結果となった。
市町村合併による宮古島市誕生から5周年を迎えたことを機に、昨年12月6日から同17日まで実施された市民意識調査。無作為抽出法で選んだ市民1600人に調査票を送付したところ、395人が回答。そのうち有効回答者は387人で、回収率は24・7%だった。調査では性別や年齢、住居地、職業といった市民の基本情報のほか、市に対して望むこと、合併して良かったと思うかどうかについて聞いた。
合併に付いての設問について全体の結果を見ると、「大変よかった」と「良かった」を合わせた肯定的意見が126人となり、「良くなかった」と「大変良くなかった」の否定的意見83人を上回った。ただ最も多かったのは「どちらとも言えない」の175人だった。
地区別に見ると、回答者数が271人と最多だった平良地区では肯定的意見が104人と否定的意見36人を大きく上回った。伊良部地区は回答38人中「どちらとも言えない」が半数の19人、肯定・否定意見はそれぞれ9人だった。上野地区は回答21人中、否定的意見が8人、肯定意見6人をわずかに上回ったのに対し、城辺地区は回答39人中、約半数の18人が、下地地区では18人中、半数以上の12人が合併は「良くなかった」と答えた。
合併について「良かった」と答えた人からは「小さい島なので一つの方向で進めるのは良い」や「財政面の強化が図れた」、「良くなかった」とする人からは「サービスが減少した」や「役所の利用が複雑になった」などの付帯意見が寄せられた。
この調査結果について下地敏彦市長は「総体的には合併は悪くなかったと感じていると思うが、役所が遠くなったとの意識を持っている人もいるかもしれない。特に旧町村部で役所を身近にする方法を考えなければいけない。ただ、まだ合併5年なので効果が現れるにはもう少し時間が必要」との考えを示した。
「今後、市に対して何を望むか」との設問(複数回答)では「医療の充実」を望む声が134件と最多で、次いで「高齢者への支援」(117人)、「雇用の確保」(114人)、「市役所の意識改革」(106人)などと続いている。
市では今回の調査結果を、市総合計画の後期計画などへ反映させたい考え。