沖縄は先島地域を想定/自衛隊空白地帯部隊配置
市長に新防衛大綱など説明
沖縄防衛局の森田治男企画部長らは21日、市役所平良庁舎を訪れ、下地敏彦市長と長濱政治副市長に、昨年12月に閣議決定された新しい防衛計画の大綱(防衛大綱)と、2011年度から5年間の中期防衛力整備計画(中期防)について説明。自衛隊空白地帯への部隊配置について、沖縄では本島以西の先島地域を想定していること、南西諸島の島しょ部に初動担任部隊配置を計画しているものの、内容は検討中で具体的にはまだ決まっていないことなどを語った。
市長室を訪れた森田部長は新しい防衛大綱の中で、防衛力の役割として周辺海空域の安全確保や島しょ部に対する攻撃への対応などを重視していること、火砲や戦車などの大型装備は縮減する一方で、南西地域を含めた防衛体制の充実の必要性が記されていることを説明。自衛隊の空白地域となっている島しょ部には必要最低限の部隊を新たに配備する考えも明記されていて、沖縄では先島地域がそれに該当するとの考えを示した。
中期防では、南西地域の島しょ部への部隊配置として、陸上自衛隊の沿岸監視部隊と、初動を担当する部隊の配置を計画。沿岸監視部隊については今計画期間の5年間で配置させる予定で、与那国島への配置に向け調査をスタートさせたい考え。初動担当部隊については、配置に向けた事業に着手するとされていて、計画期間内に配置に至るとは限らないとの考えを示した上で「配置場所や部隊規模などについては現在、検討中で具体的内容は決まっていない」と説明。「先島各地で調査をさせてもらうことも想定される。実施する場合にはよく説明し、理解を得ながら進めたい」と語った。
下地市長は「世界情勢を考えると、防衛計画の修正の必要性は理解できる。特に尖閣列島の問題はしっかりと対応してほしい。今後、宮古で調査を行う場合には、市民に国の考えをしっかり伝えたいので、どういった形で行うのか十分に説明してもらいたい」と要望した。
防衛計画の大綱 国の安全保障の方針と、それに基づき必要となる自衛隊の防衛力水準などを示すもの。10年先までを念頭に置き、情勢に変化が生じた場合には修正を行う。