宮古-那覇 航空運賃8200円に低減/県議会一般質問
具体的な試算額示す
【那覇支社】県議会(高嶺善伸議長)2月定例会は25日、一般質問に入り、宮古島市区選出の奥平一夫氏(社大・結)が質問に立ち、2012年3月末で期限満了となる沖縄振興特別措置法(沖振法)に替わる「新沖振法」で県が主要施策として打ち出している「離島航空運賃低減化」の具体的な試算値をただしたのに対し、川上好久企画部長が答弁し「那覇-宮古間(片道)が現在の1万1950円から8200円に、那覇-石垣間(同)が1万5600円から1万1400円になると試算している」と答えた。同試算値の具体額が公表されるのは初めて。
仲井真弘多知事は昨年の知事選で、離島振興策を強くアピール。知事の選挙公約などで県は新沖振法の具体的な中身を「沖縄21世紀ビジョン」をもとに国に対し制度要求を行っている。
「目玉施策」として位置付けた離島航空路線の運賃低減化で県は「沖縄離島住民移動交付金」(仮称)を法制化するよう国に求め、移動距離数に見合った額を鉄道並みの料金に設定できるよう、補てん額の交付措置などを要請している。同日の奥平氏の質問で川上部長は「移動距離を新幹線料金にあてはめ試算した」と答弁した。
奥平氏はこのほか、再質問で具体的な知事の政治姿勢に対し答弁を求め、過去年にわたり実施された沖縄振興計画について「振興策の制度設計は極めて重要。21世紀ビジョンを基にした新振計で最後にするのか」とただした。
これに仲井真知事は「今回で終わりにするくらいの気持ちで取り組みたい」と述べた上で「地域主権」に言及し、制度依存の体質では「自主性が発揮されない」と答弁した。
また奥平氏は下地島空港残地問題が「前に進んでいない」と指摘。「知事は下地島空港はエンジンになると発言したが、どういう根拠か」と厳しく迫った。
これに仲井真知事は「現在、宮古島市を中心に計画を作っているところ」と説明した上で、架橋と3000㍍級の滑走路の組み合わせで、大型機による輸送がさまざまな可能性につながるとの趣旨を述べ、自らも積極的に研究することなどを答弁した。