マネジメントで効率利用を/スマートコミュニティー シンポジウム
太陽光導入の課題など示す
宮古島市などが主催するシンポジウム「スマートコミュニティで目指すエコアイランド宮古島」が28日、市内のホテルで開かれた。早稲田大学理工学術院環境総合センターの横山隆一教授が「低炭素社会を目指した島嶼型スマートコミュニティの構築」と題した基調講演を行ったほか、パネルディスカッションでは5人のパネリストが再生可能エネルギーの活用事例などについて話した。
スマートコミュニティーとは、特定地域のエネルギーインフラと通信・情報ネットワークを統合し、地域エネルギー供給の信頼性や効率性、環境性を高めることを目指す次世代エネルギー・社会システム。横山教授は「スマートとは賢いという意味。頭を使って良い地域を作ろうという考え」と説明した。
太陽光などの再生可能エネルギーを大量導入する場合、電力系統に余剰電力の発生や電圧の上昇といった課題が生じると指摘する横山教授。解決策として複数の家庭や地域など需要が異なる消費者を組み合わせるエネルギーマネジメントを実施することで効率的な利用が可能になると説明した。
宮古島での低炭素社会システム構築への取り組みとして横山教授は、中心市街地への自動車の乗り入れ制限や、クリーンエネルギーを活用した電気自動車充電設備の整備などを提案した。
横山教授がコーディネーターを務めたパネルディスカッションには、東京大学先端科学技術研究センターの松本真由美特任研究員、明星大学理工学部の伊庭健二教授、東京工業大学の黒川浩助特任教授、三井物産戦略研究所IT・サービス事業戦略室の馬場由顕室長、宮古島市の長濱政治副市長の5人がパネリストとして参加した。
松本特任研究員は「再生可能エネルギーを活用した地域活性化の事例紹介と宮古島での可能性」、伊庭教授は「実証実験は地元地域の支援と理解が不可欠」、黒川特任教授は「太陽光発電技術の現状と今後の展開」、馬場室長は「スマートコミュニティによる新しいビジネスモデルの可能性」、長濱副市長は「宮古島市におけるスマートコミュニティへの期待」について、それぞれ考えを述べた。