「魚の観察楽しみ」/狩俣小の児童
海中公園施設を見学
狩俣小学校(下里隆校長)の児童14人が3日、平良北部の狩俣地区で、整備中の宮古島海中公園プロジェクト事業工事現場を見学した。磯遊び施設前面に広がる入り江状の海域は沖合側が仕切られ、一カ所に海水交流水路が設けられている。水路は魚道の役割を果たしており、子どもたちは木道から見下ろし、今後の魚観察にわくわくの表情を見せていた。海中公園は4月1日にオープンする。同校では、新年度から海中公園施設を学習の場として活用していく計画を立てている。
総合的な学習の時間の一環で初めて実施した。プロジェクトに関する方々との出会いを通して、プロジェクトの思いを感じ、今後の学習に生かそうとする態度を培うことなどが狙い。4~6年生が参加した。
市(下地敏彦市長)が、学習の受け入れに協力した。市役所水産課の海中公園プロジェクト室の仲間利夫室長が事業概要を説明した。
その中で、仲間室長は「海中公園施設は、二十数年前に旧平良市が策定した水産振興計画に基づいて整備しているもの。総事業費は約9億600万円。国の農山漁村活性化支援プロジェクト交付金などを活用し、宮古島市負担は約500万円」と語った。
その上で「海中観察施設(人工の海中トンネル)は大型ブロック20個をつないで造る。ブロックの1個の重さは50㌧。ブロックとブックの間には止水の働きをするゴムに圧力を掛けて取り付ける。ブロックは、水深40㍍の水圧に耐え切れる」と最新型の構造を語った。
また仲間室長は「車いすでも見学ができるよう、海中観察施設の本体へ行く階段はバリアフリーになっている。本体の窓はアクリル。この窓からサンゴや魚を観察するが、既にたくさんの魚が集まって来てる」と強調し、子どもたちを喜ばせた。
この後、全員が沖合に突き出ている海岸で建設中の公園管理棟に移動。途中には宮古産トラパーチン(大理石)で設置した高さ3㍍の記念碑があり、大書で「宮古島市海中公園」と刻まれている。揮毫は宮城公子さん。整備中の海中観察施設は立ち入り禁止の措置が取られていた。
児童会長の安慶田真樹君は「狩俣の良さを引き出して造っているので、とてもうれしかった」と感想を話した。