踊りで子孫繁栄祈願/来間島「ヤーマスプナカ」
コロナで規模縮小
旧暦9月の甲午(きのえうま)の日に行われる来間島の伝統行事「ヤーマスプナカ」が13日に同地区であった。初日は3兄弟の家元で子孫繁栄を祈願する「サラピャース」と「マスムイ」の儀礼が行われた。この一年間に誕生した子供を先祖に報告し健やかな成長を願った。
昨年に引き続き、今年も新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、規模を縮小しての開催。2日目に行われる島内を練り歩く恒例のパレードは今年も見送られた。
ヤーマスプナカは、子孫繁栄や無病息災、五穀豊穣(ほうじょう)を祈願するもの。来間島を救い、繁栄させたと伝えられる3兄弟の家元(長男スムリャーブナカ、次男ウプヤーブナカ、三男ヤーマスヤーブナカ)を中心に祭事が行われる。
このうち、次男のウプヤーブナカの家主、砂川輝夫さん宅では、午前8時ごろから「サラピャース」が始まり、住民らに神酒が振る舞われた。
砂川さんは「ヤーマスプナカを開催することはウイルスに対して、ワクチン注射の100倍の効果があると思う。そうした思いを込めて盛大に祝いたい」と呼び掛けた。
今回も参加者には、マスク着用と手指の消毒を徹底させたほか、参加人数も制限して行われた。
また、「マスムイ」では、ここ1年で生まれた子ども2人が紹介さた。
コロナ禍の中での開催について、砂川さんは「とにかくこの伝統行事を継続して開催することが必要であり、絶対に途絶えさせてはいけない」と話し、これからも島最大の行事を盛り上げていくことに力を込めた。