豊作、豊漁、繁栄祈願/3地区 コロナ下で「ミャークヅツ」
豊作や豊漁、子孫・地域繁栄を祈願する祭り「ミャークヅツ」が13日、池間、西原、佐良浜地区(池間添、前里添)で始まった。昨年に引き続き、新型コロナウイルス感染症防止の観点から規模を縮小し、参加者の検温や会場に消毒液を設置するなどの対策をして開催した。
池間添・前里添
伊良部佐良浜地区のミャークヅツが池間添、前里添で始まった。新型コロナウイルス感染拡大の影響により、両地区ともに神事の行事のみを行った。今年の新入生(ミーウヤ)がツカサウヤから神酒を受けた。密を避けるため、一人一人が喜びを踊りで表現した。同地区では4日間にわたって開催される。
池間添では数え47歳から、前里添では同50歳からミャークヅツに参加する。今年は池間添に22人、前里添に13人がミーウヤとして加わった。
埼玉県から帰省した池間添の上地作昭さんは「規模縮小だが、伝統的な行事が開催できて良かった。来年は後輩たちが一致団結し、一般人も参加して盛り上げてほしい」と話した。
一方、前里添のツカサウヤである西原豪さんは「8月にコロナの感染者が増えて開催できるか不安だったが、昨年と同様に行うことにした。最近は感染者が減ってきているので、来年こそは外で踊れるようになれば」と期待した。
池間
3日間にわたる池間島のミャークヅツが始まった。例年、水浜広場で行われる集団クイチャーは中止となり、ウハルズウタキ(大主神社)での参拝のみ行われた。ツカサンマらが祈祷する中、訪れた参拝者が神前で願い事をしていた。
池間島の四つの拝所のうち、アギマスムトゥ(上げ桝元)の会員らは早朝から来所し、ムトゥ神祈願儀式を執り行った。3日間の日程だが、コロナ禍の影響で規模を縮小。沖縄本島や県外からの帰省者は少なく静かなミャークヅツとなった。
アギマスムトゥの会計ウヤである仲間毅さんは「神祈願儀式は役員の他、祈願に来た人だけの少人数で行った。コロナが来年には収まることを期待している。そうなれば3年分のミャークヅツを盛大に行いたい」と話した。
池間島には真謝、上げ桝、前之屋、前里のそれぞれムトと呼ばれる4カ所の拝所があり、男性の各人はいずれかのムト会員となっている。
西原
平良西原のミャークヅツは「あら日」と呼ばれる初日を迎えた。朝からナナムイら(48歳~55歳までの男性)が、仲間御嶽に集まって祭りの始まりを祝いながら地域の発展を願った。新型コロナウイルス感染症拡大防止を図るため、参加者はPCR検査を受けるなどの対策を施し、行事は規模を縮小して行われた。
午前8時から行事が始まり、西原自治会の仲間忠会長らがあいさつしてミャークヅツの開会を告げた。
昨年に引き続きミャークヅツは県のガイドラインに沿って、検温や消毒液の設置、名簿を作成し参加者を把握するなど、新型コロナウイルス感染防止策を取って行われた。
今年でナナムイを終える池間龍也さんは「例年なら盛大に祝うところだが、新型コロナの影響で規模を縮小しての開催となった」と話し、「池間民族にとってミャークヅツは、先輩方から継承されている大事な行事。開催することができて良かった」と喜んだ。