豊かな村づくり強調/多良間村
伝統文化生かし活性化へ
【多良間】多良間村議会(西平幹議長)の3月定例会が10日開会し、下地昌明村長が2011年度の施政方針を述べた。11年度は、村総合計画基本構想の初年度。下地村長は構想に示す自然・伝統文化を生かした地域活性化や、産業振興による「元気のある明るい住み良い豊かな村」づくりに決意を示した。
施政方針は産業振興や教育文化、福祉など行政全般にわたる。
産業振興では、地域ブランド「たらま山羊」の増頭や、養豚農家の育成、食の安全確保のため、簡易と畜場の整備に取り組む。
方針は、牛ふんやキビの枯れ葉などを堆肥にする資源循環型農業推進を、地力向上や地下水保全の観点から強調した。具体的には、堆肥製造施設を増設。堆肥散布車を導入する。堆肥の増産は、結果的に化学肥料の使用量を減らし、地下水への窒素負荷を抑えるとした。
窒素吸収力の強い飼料作物ソルガムを栽培し、これからバイオエタノールを生産する「緑と水の環境技術革命プロジェクト事業」も芽出しする。
観光は、経済発展や雇用拡大など将来の村活性化に欠かせない重要な産業と位置付けた。課題には宿泊施設の整備や観光案内、島独自の料理提供、観光土産品の開発などを列挙。また「観光客への情報提供や顧客ニーズへの対応、誘客活動が不十分」とも指摘した。
今後に向けては「日本で最も美しい村連合」加盟や県立自然公園指定を機に、美しい自然や八月踊りなどを発信する必要性や、村民一体となった取り組みを訴えた。
村の特産品・黒豆は、離島フェアなどにも出品され人気が高い。新年度は、地域ブランド化を目指し、生産農家の育成と生産拡大を支援する。
カボチャは、サトウキビの後作として畑の有効利用を可能にする有望作物と強調。農家や関係機関に、生産拡大や一層の栽培技術の向上を求めた。
福祉では、高齢者を予約に応じて、空港や普天間港を利用する際に、バスで自宅まで送り迎えするサービスを開始する。