シティーアンドリゾート社に決定/ホテル棟売却先
4月20日に契約締結/マリン社臨時取締役会
【那覇支社】宮古島市などが資本拠出する第3セクターの宮古島マリンターミナル社(社長・下地敏彦市長)は24日、那覇市のホテルで臨時取締役会を開き、ホテル棟売却公募の件について検討協議した。協議の結果、売却先を宮古島シティーアンドリゾート社(西里秀徳社長)に決定した。4月20日に契約締結し、5月20日にホテル棟の引き渡しを行う予定。マリン社の下地社長は民事再生法の適用申請を行い同社を再建継続したい意向だ。
多額の債務で経営難に陥っているマリン社は当初、同ホテル棟の最低売却公募額を11億8800万円に設定し、昨年12月に入札を行ったが、応札企業は0件だった。今月15日に、資産評価額の7割に相当する8億3000万円で再公募したところ、2件の応札企業があり、24日の臨時取締役会での決定に至った。
売却先を宮古島シティアンドリゾート社に決定した理由を下地社長は、「事業計画、資金計画、事業内容を検討したところ、金融機関から正式な融資の承認を受けていることなど、総合的な条件を勘案した上で決定した」と説明した。
入札時にマリン社が提示した現職従業員の引き受けや、前運営会社からの、じゅう器備品等引き取り条件なども満たしているという。
取締役会は、契約締結日と建物引き渡し期日は計画通りに行いたい考えだが、東日本大震災の影響で、宮古島市への観光客キャンセルが相次いでいることなどから、計画期日が多少遅れることも想定している。
下地社長は「ホテル棟の売却処分ができたことで、市の財政負担はなくなった」と述べた上で、落札金は、すべて債務返済に充当するが、マリン社そのものは、地域の就労の場として運営を継続したいとの強い意向があり、民事再生法適用後の事業計画を構築し存続を図りたい考えを示した。