合併特例債総額28億1600万円/宮古島市2010年度現在
校舎新築など最多11億7000万円
2007年10月の市町村合併後、宮古島市で活用された合併特例債の総額は、2010年度現在で28億1600万円となった。最も多いのは小中学校の校舎新築・改築工事など教育施設整備事業の11億7370万円、次いで新葬祭場建設事業の8億円となっている。合併特例債が活用できるのは合併から10年間で、今後は新ごみ処理施設や図書館の建設など、新市計画に盛り込まれた事業での活用を予定している。
合併特例債とは、合併特例法で定められた優遇措置の一つで、合併後のまちづくりに必要な事業の費用調達のため発行できる債券。事業費の95%に充当することができ、そのうちの70%が交付金として還付されることから、実質的な市の負担は事業費全体の33・5%となる。基本的には合併時に策定された新市計画に記載された事業が対象で、宮古島市の新市計画に基づいて算出された限度額は216億円となっている。
10年度までに合併特例債を最も多く活用しているのは教育施設整備で、学校別の起債額は北小学校が3億8130万円、北幼稚園は3770万円、鏡原小学校は1億5930万円、池間小中学校が2億2760万円などとなっている。
今年4月から供用開始を予定している新葬祭場「宮古島市斎苑」の建設事業では、09年度に3億4380万円、10年度に4億5620万円の計8億円を活用。伊良部島への送水事業では08年度から10年度までの3年間で1億840万円起債していて、最終的には15年度までの8年間で総額5億3400万円を見込んでいる。
10年度には合併振興基金積立事業として4億7500万円を起債。今後、13年度まで毎年、同額の積立を行う予定。そのほか、07年度にはIT事業創出体制強化事業に6400万円、09年度には安心子ども基金事業に4350万円、10年度は、し尿等下水道投入施設整備事業で1億5160万円を起債している。
今後も、新ごみ処理施設や図書館など、新市計画に記載された事業で合併特例債の活用が予定されているほか、計画には明記されていない市役所総合庁舎についても検討が行われている。財政課の伊川秀樹課長は「総合庁舎建設に合併特例債を充てるためには国、県との調整が必要になる。特例債が活用できても事業費の約3割は市の負担となるので、財政状況を見ながら判断する必要がある」との考えを示した。