県、市町村施設に94人/県被災者受入状況
福島、岩手は送り出しに難航
【那覇支社】県の又吉進知事公室長は28日、東日本大震災の被災者受け入れ状況や課題などを発表した。同日午前の段階で、県営住宅などの県施設へ59人、市町村営住宅などに39人の計94人を受け入れたことを明らかにした。また、福島、岩手の両県は被災者の送り出しに難航し、沖縄県の申し出を断っている状況。職員派遣なども辞退しているという。
県は今月18日に仲井真弘多知事が数万人規模での被災者受け入れを表明して以降、25日には県内111団体の協力を得て「支援協力会議」を発足するなど、被災者受け入れに積極的な構えを取っている。
だが、被災者送り手側の福島、岩手県は送り出しそのものが困難だとして、沖縄側の申し出を辞退。県は当初受け入れ3000人を予定していたが、チャーター便を使っての被災者受け入れは遅れる見込みだ。
また自主的避難者の扱いや、岩手、福島、宮城の3県以外の受け入れ基準に、線引きができていないことなどが課題になっている。
今月16~17日までの間に、被災者受け入れに関する県への問い合わせは274件あったが、このうち33件は東京、茨城、神奈川など県が受け入れを表明した3県以外の居住者からの相談だった。
又吉公室長は「被災者認定については、ニーズを把握し、法令で救い上げることが困難な被災者への対応も検討しなくてはならない」と述べた。
県の受け入れ申し出に対し、宮城県が積極的に送り出したいとしていることから、県は同日、原田直美広報課長を現地へ派遣した。又吉公室長は、被災地の行政機能が低下していることなどを勘案し、今後、JCなど民間団体のネットワークを活用して被災者受け入れ支援を進めたい考えだ。