電線、ベニヤ板品薄状態/東日本大震災の影響
入荷制限され先行き懸念
東日本大震災の影響を受け、宮古でもベニヤ板や電線などの建築資材が品薄になっている。木材卸のA社では、ベニヤ板がほぼ品切れ状態。電気資材卸のB社は、発注量の2割程度しか調達できていない。ベニヤ板は建築工事の仮枠等、電線も同工事の配線などに使う。経済界関係者は「品薄で資材確保に先の読めない状況は、今後の工事に影響を及ぼす可能性が高い」と危惧する。
「ベニヤ板500枚を納品してほしい」。31日午前、A社にそんな電話あった。同社は「100枚程度ならできるが、全量は無理」と断った。
同社のベニヤ板の在庫はほぼ底を突き、注文しても要望通り入荷していない。
同社は原材料(ラワン)の生産減に加えて、東北での仮設住宅関連需要が、ベニヤ板不足に拍車をかけたとみている。
電気資材卸のB社は沖縄本島の問屋から「納品は、これぐらい(注文分の2割)にしてもらいたい」と言われたという。在庫は1~2カ月分あるものの、その先を懸念する。同社は、大震災の影響で納品が滞る可能性を文書で電気工事各社に通知した。
沖縄本島の電気資材卸問屋は品薄の要因に①茨城県内工場の大震災被害②製品の東北地方への優先出荷-を挙げている。
一方、建築資材卸のC社は、3カ月分程度のベニヤ板を確保した。しかし、同社役員は「ベニヤ板の製造は、東北が日本全体の5割を占める。ほとんどの工場が津波被害を受けており、今後どうなっていくかが心配」と話す。材木や鉄筋に、大きな影響はないとみる。同役員は「建築業者に迷惑を掛けないよう、流通を担当する者として頑張る」と語気を強めた。