市陸上競技場新築メーンスタンド
新築工事が完了した宮古島市陸上競技場メーンスタンドの観客席から、ホームストレートの一部が見えないことが関係者の指摘で分かった。2列目以上の座席からは、5~8レーンを走る競技者が施設のひさしに隠れる。担当する市民スポーツ課は2日、本紙の取材に対し「敷地の広さや安全面を考慮した結果。見えづらいのは観客席ができた後に気付いた」と述べ、構造上の欠陥を認めた。さまざまなスポーツキャンプへの対応と、障害者に配慮するために建設された施設だが、完成後に想定外の状況に陥った。
最も視界が悪いのは2列目。1列目との間に約3~4㍍の通路があるため死角が多い。5レーン以降は徐々に競技者の体がひさしに隠れ、8レーンは肩から下が見えなくなる。1列目に観客が座ると視界は完全に遮られる。
車いすの利用者が行き来することを想定して広めにスペースを取った通路や、高齢者や子どもらが安全に利用できるよう座席の段差を低く設計したことが影響したとみられる。
建設にあたり市の担当者と宮古島市陸上競技協会、宮古体育協会の関係者が検討委員会を実施したが、観客席から視界が悪くなることに気付く委員はいなかったという。
市民スポーツ課は「さまざまな要望を受け目一杯、良い施設にしようとした。敷地面積が小さく、このような状況になった」と話した。
市陸上競技場メーンスタンドの長さは約80㍍。1階部分にウエートトレーニング室、ウオーミングアップ用のランニングレーンが設置されている。総工費は約2億9000万円。
1日から供用が開始されており、24日には全日本トライアスロン宮古島大会のゴール会場として使用される。来年は県民体育大会の陸上競技が開催される予定。