11年度予算は12億7000万円/平良港湾事務所
前年度比32%減 耐震バースは見送り
内閣府沖縄総合事務局平良港湾事務所(小早川弘所長)の2011年度当初予算は、前年度の18億9000万円と比べ32・8%減の12億7000万円となった。同予算は東日本大震災の関係で今後、5%減額される可能性がある。今年度も船舶の大型化対応や耐震、広いバックヤード確保のために第2と第3埠頭間の水面を埋め立てて新たなバースを整備する計画は、新規採択されなかった。
海運会社によると、大型船舶は冬場の北風の強い日は接岸に危険を伴うため、平良港に入港せず次の目的地に向かうこともある。その場合次の入港は2日遅れになり、物流に影響を及ぼしている。
耐震バースは沖縄本島や石垣にはあるが、宮古だけにない。今回の東北地方のような大地震が発生し港の岸壁が壊れた場合、海路の緊急支援物資や復興資材が途絶えることから、早急な整備が求められている。
バックヤードは、コンテナなどで満杯状態となり作業の安全性や効率に影響を及ぼしている。
平良港新埠頭整備の概算要求は09、10、11の3年度にわたり行ってきた。昨年は1月、7月、12月の3回、下地敏彦市長や海運会社の役員らが上京し要請したが不発となった。
小早川所長は「引き続き予算要求に、力を入れていきたい」と述べた。
復帰後の平良港整備では、漲水地区で3カ所、下崎地区で1カ所の埠頭が完成。09年度から10年度にかけては下崎西防波堤と、船舶の台風時避難に役立てる下崎泊地のしゅんせつや平良港航路の水深を11㍍にするしゅんせつ工事が完了した。
11年度は下崎北防波堤(第2)の上部工事(165㍍)や老朽化で亀裂が見られる第2埠頭の舗装工事(135㍍)、下崎北防波堤の約80㍍の部分に消波ブロックを設置する工事などを実施する。
今年度の平良港当初予算(12億7000万円)は、10年前(01年度)の33億円と比べ約4割と激減した。