農家総手取額は74億1900万円/2010-11年産サトウキビ
生産量は32万4000㌧/4年連続で平年上回る
宮古製糖多良間工場の2010-11年産サトウキビの搬入作業が22日に終了し、宮古4工場すべての原料実績がまとまった。宮古地区全体の生産量は32万4197㌧、品質は全工場で基準糖度に達した。農家総手取額は74億1900万円。生産量、総手取額ともに前期に比べ減少したものの、4年連続で平年の成績を上回った。
今期の生産量は前期に比べ2万5000㌧少なかった。品質は、前期15度台だった宮古本島内2工場と宮糖伊良部工場が14度台、同多良間工場は13・22度と低糖度だった。品質低下の要因は昨年9、10月に接近した台風を含む気象条件が影響した。
この結果、農家総手取額は前期に比べて約6億5000万円減少している。ただ、1㌧当たりの農家平均手取額をみると、宮糖多良間工場以外は2万2500円以上の取り引きが行われ、台風被害を受けながらも平年以上の成績となった。
工場ごとの農家平均手取額は沖縄製糖宮古工場が1㌧当たり2万3337円で総手取り額は31億8369万7000円に達した。平均糖度が14・66度と最も高かったため、手取額も高値だった。今期搬入された原料は13万6431㌧。
宮糖城辺工場には11万556㌧の原料が搬入され、平均糖度は14・04度。1㌧当たりの農家平均手取額は2万2637円で、総手取額は25億269万3000円となった。
宮糖伊良部工場の今期原料は5万3318㌧。平均糖度は14・13度で1㌧当たりの農家平均手取額は2万2753円となり、総手取額は12億1315万9000円だった。
22日に搬入を終えた宮糖多良間工場には2万3892㌧の原料が運び込まれた。平均糖度は13・22度と近年にない低糖度。基準糖度帯以上の原料は22・85%にとどまり、基準内が30・31%、基準以下の原料が全体の46・83%を占める厳しい内容となった。
同工場によると、台風による塩害被害のみならず、地力の低下なども品質低下の要因に挙げられるという。
同工場の1㌧当たりの農家平均手取額は2万1751円、総額は5億1967万5000円だった。
農家の収入は、工場が農家に直接支払う原料代金(1㌧当たり標準額5971円)と国が経営安定対策費として支払う交付金(同1万6320円)で構成されており、品質の高低によって手取額が変動する仕組み。