陸自配備で調査着手へ/北沢防衛相が宮古視察
下地市長と会談、理解求める
北沢俊美防衛相は8日午前、初めて宮古島市を訪れ下地敏彦市長と宮古空港で会談した。北沢防衛相は南西諸島防衛を強化するため、宮古島を含む先島諸島に陸上自衛隊を配備するための調査に着手する考えを明らかにし、下地市長に理解を求めた。「先島諸島への部隊配備に(2011年度予算に)調査費を3000万円計上している。(日本)最西端の与那国を中心にした考え方や先島諸島全体をどうカバーしていくか。総合的な計画を練るために現地視察を行った」と来島の理由を説明した。
政府の中期防衛力整備計画(11~15年度)は、南西諸島防衛の一環として、宮古島や石垣島に特殊部隊やゲリラの上陸に備える陸上自衛隊の「初動部隊」を配備するとしている。
会談で北沢防衛相は「規模についてはまだ決めていない。いろいろな計画が少しずつ固まってきたら、皆さんにも申し上げていく」と述べた。また、「自衛隊基地は賛成や反対がどうしてもあるが、地元に迷惑が掛からないようにしたい」と理解を求めた。
これに対し下地市長は「内容については固まり次第、説明をしてほしい」と語った。
北沢防衛相はこの日、那覇空港から自衛隊機で午前9時57分に宮古空港に到着。その後、レーダー施設がある上野野原の航空自衛隊宮古島分屯基地を視察した。
下地市長との会談は、分屯基地を視察した後、宮古空港内にある貴賓室で行われた。
会談には、北沢防衛相ほか、防衛省の井上源三地方協力局長、岩﨑茂航空幕僚長らが出席。宮古島市からは、下地市長、長濱政治副市長、古堅宗和企画政策部長、安谷屋政秀総務部長が出席した。会談は午前11時35分ごろから約10分間行われた。
北沢防衛相は正午、那覇空港に向け自衛隊機で離陸した。