市教委、方針決定できず/学校規模適正化問題
検討委答申への異論影響
学校規模適正化検討委員会(委員長・川上哲也教育長)が3月末に市教育委員会(宮国博委員長)に宮古地区中学校の統合などを含めた基本方針の最終答申を行い、それを踏まえて市教委が4月中にも行うはずだった方針決定が5月に入った現在もまだされておらず、それに伴い下地敏彦市長への報告も行われていないことが分かった。
方針決定の遅れについて、宮国委員長は「今月中には方針を決定する。すでに委員の意見集約は図られている。検討委の最終答申の内容で作業スケジュールなどについて異論もあり、答申内容通りの方針決定となるかどうかは今は言えない」と述べた。
市教委の方針決定が行われていないことにより、地域住民への説明会などの日程調整なども行われておらず、予定していた作業にも影響を与えている。
当初、同検討委の最終答申は2月ごろまでに行われ、市教委が3月中に同答申を検討し2010年度中に方針を決定して市長に報告するスケジュールだった。
しかし、最終答申が3月23日にずれ込み、4月中に市教委の方針決定となる予定だったが4月27日に行われた市教委の定例会にこの問題は議題として提案されることなく、方針決定には至らなかった。
市教委内部には検討委答申に異論もあるとしていることから、現在のところ市教委の判断は流動的で検討委答申とは違った判断を下す可能性もある。
今月26日には市教委の定例会が予定されている。市教委の方針決定は今後の作業に大きな影響を与えることから、どのような判断が示されるのか注目となっている。
市学校規模適正化検討委員会の最終答申では、具体的学校名や時期が示された中学校とは異なり、小学校については「中学校の規模適正化を検証しながら、社会情勢や人口動態の急激な変化等をも考慮しつつ開始すべきである」と具体的なことには一切、触れられていない。
また、中学校の規模適正化的期間についても「15年間を基本とする」と答申されていることについて最終答申時に、宮国委員長は「15年と言えば、子どもが生まれてから中学を卒業するまでの期間になる」と期間が長いとの印象も示していた。