キビ株出45%増/全面積の13%占める
新農薬の効果などで急増
宮古島に現在栽培されている2011年産サトウキビの株出面積は、前期より123㌶(45・3%)増えて394㌶に上っていることが分かった。宮古製糖城辺工場と沖縄製糖宮古工場が、13日までにまとめた。夏植や春植を含めた全体面積3097㌶に占める割合は12・7%。08年産まで2・8%しかなかった株出は、それ以降急増した。
両工場は株出増加の要因に①土壌害虫のハリガネムシに有効な「プリンスベイト剤」の普及とアオドウガネの成虫を光でおびき寄せて捕獲する誘殺灯の大量設置②春株推進運動の効果-などを挙げている。
宮糖管内の株出面積は、前期比74㌶(75・5%)増の172㌶。沖糖は222㌶(同比49㌶、28・3%増)となった。
宮糖の株出面積の推移をみると08年産が28㌶、09年産54㌶、10年産98㌶、11年産172㌶と3年連続大幅に増えた。同工場では今年から始まった株出奨励金(10㌃当たり4000円交付)をも理由に挙げている。
宮糖管内で株出面積が最も多かったのは、79年産の1351㌶。同期は全収穫面積2551㌶の52・9%もあった。その後、塩素系殺虫剤の使用禁止に伴い、ハリガネムシが増えて株の出が減少。1995年産は、18㌶にまで激減していた。
沖糖の株出面積も、宮糖同様に急増傾向にある。
株出しのメリットは①収穫サイクルが2年1回の夏植と比べ1年1回と短い②苗代が要らない③化学肥料の使用量が少なくて済む-などを挙げる。
両工場は、株出栽培のメリットによる誘発効果や、株出管理機の導入など生産条件も整いつつあることから、今後も増えていくと予想している。
株出と同様に1年1回収穫の春植面積は宮糖が163㌶、沖糖が113㌶。株出の394㌶と合わせた面積は670㌶で、全面積3097㌶の21・6%を占める。
株出 夏植や春植を収穫した後に出てくる株を育てる栽培体系
プリンスベイト剤 ハリガネムシなどを誘剤(餌)で殺虫する餌タイプの農薬。宮古では株出復活を目指し、行政が使用を推奨している。