伊良部大橋開通1年遅れ/県が工事遅滞を正式発表
【那覇支社】建設中の伊良部大橋(総延長6・5㌔㍍、橋梁区間3・54㌔㍍)の完成が当初計画の2012年度末(2013年3月)より約1年遅れ、13年度末(14年3月末)にずれ込むことが明らかになった問題で、県土木建築部(当間清勝部長)は23日、同工期の延長について正式発表した。07~08年度に予定した主航路部橋梁(420㍍)の実施設計が1年遅れ、同橋梁部を支える橋桁部分の着工が遅れたことなどが要因。当間部長は「完成は、やむを得ず1年延びるが、可能な限り工期短縮に努め、完成を早めたい」と述べた。
県土建部では主航路部実施設計着手の遅れによる工期遅れを回避するため、伊良部島側からの橋桁建設なども検討したという。結局、安全性、経済性の観点から、橋桁工事の工程を変えずに現行通りのスケジュールで建設を進めることを決定した。
完成遅れの主要因である主航路部は風洞実験の結果、当初計画の「鋼中路式アーチ橋」が、耐久性で問題のあることが判明。その後、主航路部橋種検討委員会(委員長・上間清琉球大名誉教授)で07年度から再検討を開始し、08年10月に橋種を「鋼床版箱桁橋」にすることを最終決定した。
実施設計完了が08年度から09年度にずれ込み、橋種変更に伴う橋桁部分の工事内容が変わったことで、同部分の工事完了が当初の10年度末に間に合わず、今年度末にまでずれ込む見込みとなった。
宮古島市の建設関連業者からは「設計段階での工事遅れならば、最初から分かっていたはずだ」、「大型公共事業の遅れは民間にも影響する」などの批判の声が上がっていた。また宮古島市からも大橋完成に関連する諸事業が1年間遅れることなどについて厳しく指摘されていた。