資金繰りが悪化/コーラル社
借金返済、原料代金滞る
宮古島市などが出資する第三セクターのコーラル・ベジタブル社(砂川佳一会長)の資金繰り悪化が、本紙の取材で1日までに分かった。借金返済が4カ月ほど前から滞り、原料(アロエベラ)代金の支払いも遅れている。砂川会長は再建に向け、市と協議に入った。
膨らむ赤字、経営を圧迫
2010年8月末の累積赤字は、資本金の6650万円を2350万円上回る約9000万円。積み重なる赤字が資本を食いつぶし、借金をしてしのいできたものの、資金が底を突いた形だ。
下地のアロエベラ生産農家によると、原料代金は納品から3カ月以内に支払う約束という。しかし、昨年9月に納品したアロエベラの代金が最近支払われるなど、約半年遅れている。同男性は「今後3カ月以上遅れた場合は納品もしないし、アロエベラも作らない」と怒りをあらわにした。
一方「経営が改善されれば、約束通り支払ってくれると思う」と優しく見守る農家もいる。
コーラル社は現在、アロエベラやマンゴージュース、冷凍ゴーヤーの加工販売などのほか、皮をむいたアロエを本土に出荷。11期(09年9月~10年8月)の売り上げ高は1億1090万円と、設立当初計画(2億円)の約半分だった。販売不振が赤字の大きな要因とみられる。
砂川会長は「宮古島のアロエは、ミネラルを多く含む素晴らしい素材。人々の生活に役立つ商品として発信していける」と、今後の商品開発や販売促進を確信。「沈んだ船を社員一丸となって、引き上げて修繕して新しく船出しなければならない」と再建に意欲を燃やす。
大口融資先の沖縄公庫宮古支店は「コーラル社は、地元の農産物に付加価値を付ける特徴的な会社。今後、方向性がはっきり決まれば、支援していきたい」と話している。
コーラル・ベジタブル社は、高付加価値農業の実現を目指し、旧下地町などが出資して設立し、99年10月に運転を開始した。