基本方針、すでに市長に報告/学校規模適正化で市教委
小学校の具体的計画も年度中に
市教育委員会(宮国博委員長)は市立学校規模適正化について、同委員会の基本方針を14日に下地敏彦市長に報告していたことが17日までに分かった。報告では学校規模適正化検討委員会とは異なる判断となった小学校について「幼稚園を含めた小学校についても適正規模の具体的な計画については教育委員会の基本方針を踏まえて今年度中に策定する」との文言が示された。
同検討委員会の答申では、統合パターンや時期などが示された中学校とは異なり、小学校については具体的内容が盛り込まれなかった。
しかし、市教委側は中学校よりも複式学級を多く抱える小学校について具体的な取り組みが盛り込まれていないことを問題視し協議の結果、「中学校と並行して進める」との方針となっていた。
今回の市長報告ではさらに、具体的な小学校の計画についても今年度中に策定するとの方針が示された。本紙の取材に宮国委員長は「準備が整い次第今年度中には住民説明会を開催していきたい」と述べた。
そのほか、基本方針では中学校の適正規模の実行期間について、来間を下地に2014年度までに統合。佐良浜、伊良部も同年度までに1校に統合。城辺の4中学校(福嶺、城辺、西城、砂川)を16年度までに1校に統合する。
検討委答申では池間、狩俣、西辺、北の4校を23年度までに1校に統合するとしていたが、同委員会の方針では北を除いた3校で18年度をめどに1校に統合するとしている。
基本方針を検討委に報告/市教委
双方、激しく意見衝突
市立学校規模適正化についての基本方針を決定した市教育委員会(宮国博委員長)の委員5人は17日、学校規模適正化検討委員会のメンバーに対する報告会を市中央公民館で開いた。小学校の規模適正化について検討委の答申とは違う方針を打ち出した市教委に対し、検討委のメンバーから異論が噴出。議論は平行線をたどり、市教委側が地域説明会を開いて住民の理解を得るための作業を根気強く行っていくとの見解が示されて報告会は終了した。
今回の報告会は、市教委が14日に下地敏彦市長に基本方針の報告を行ったことで、今後はこの方針に基づいた取り組みが行われることから、同検討委にこれまでの経緯や方針決定に至った理由などの説明が行われた。
小学校については、検討委内部で存続論が強く、市教委が「中学校と並行して進める」との方針となったことで、当初から不満の声が上がっていた。
検討委メンバーからは「いきなりポンと違った方針が出されても地域住民は混乱するし、絶対に納得しない」「地域で子どもを育てたいと思うのが親の気持ち」「地域から学校が無くなったら地域は衰退していく」「学校があれば地域は活性化する」「もう少し小学校について議論する時間がほしい」などの意見が出された。
これに対して市教委側は「地域の発展とかではなく、今、そこ(複式学級)で学んでいる子どもたちをどうするのかを考えるべき」とし、中学校よりも多くの複式学級を抱える小学校についても積極的な取り組みが必要であるとの見解を示し続けた。
結局、互いの意見は激しく衝突したまま平行線をたどり終了した。
市教委は今後、小学校の規模適正化に向けた取り組みの理解を得るために関係地区で積極的に住民説明会を開催していくとしている。