中学校の統合に着手/市教委
3地区に推進委設置へ
宮古地区の学校規模適正化問題で、市教育委員会が来月中にも城辺、下地、伊良部の3地区に統合推進委員会(仮称)を設置することを決めた。市議会6月定例会に提出した一般会計補正予算案に必要な経費を計上しており、承認を経て直ちに委員会の設置に着手する方針。同委員会では新しく設置する中学校の場所や校名を含めた本格的な議論が展開される見通し。小学校の規模適正化議論が混迷の度合いを強める中、中学校は統合・適正化に向けて動き出した。
推進委員会の役割は議会承認を経た上で正式決定されるが、主に学校の場所や学校名、通学路、そのほか学校統合に伴って生じる課題を整理、解消する組織として立ち上げる方針だ。
推進委員会について川上哲也教育長は「これまでの検討委員会とは違う新しい組織。構成人数は20人以内になる」と述べた。議案に対する質疑の中で新城元吉氏の質問に答えた。
その後の取材で川上教育長は「規模適正化検討委員会から答申を受けて中学校の方針は決まった。これを軸に話し合う」と説明。小学校については「中学校のように具体案が決まっていないので新しく設置する3地区の委員会でも議論はできない」と述べた。
市教委が下地敏彦市長に報告した適正化基本方針は①統合は2011年度から検討作業を開始②14年度までに来間中学校を下地中学校に統合③佐良浜、伊良部中学校を14年度までに統合④福嶺、城辺、西城、砂川中学校を16年度をめどに1校に統合⑤池間、狩俣、西辺中学校を18年度をめどに1校に統合-。3地区の推進委員会は、この計画を受けて議論を深める。
平良地区における統合推進委員会の設置は当面見送られる方針。校区審議と並行して協議を進め、統合計画を具体化させる。
3地区の推進委員会では適正化検討委員会と市教委の見解が違う小学校の適正化については議論しないものとみられる。地域住民の学校存続を求める声が大きく、中学校のような統合計画案が短期間でまとまる公算が小さいためだ。
ただ、市教委は今年度内に具体案をまとめる方針を示しており、今後は具体案策定に向けての取り組みが注目される。市教委が単独で示すのか、適正化検討委員会に再考を促すのか、紆余曲折が予想される。