学校改築に大幅な遅れ/久松、平良中
国庫補助金の減額で/市議会総務財政委員会
開会中の宮古島市議会6月定例会は22日、市役所平良庁舎で各常任委員会を開いた。総務財政委員会では2011年度中に着工する久松、平良の両中学校改築事業の工期が大幅に遅れることが分かった。久松中は校舎、平良中は体育館を建て替える事業の完了が半年以上遅れる。今年度当初に見込んだ国庫補助金の減額措置が要因で、市教育委員会は当初予算編成の段階で歳入減を想定できなかったという。取材に対し教育部の田場秀樹部長は当初予算編成の経緯について「見通しが甘かった」と述べた。
教育部によると、久松中の新校舎竣工は、当初来年3月に供用を開始する予定だったが、最短でも同年9月になり、長引けば13年になる見通しだという。
同校舎は過去、生徒数の増加によって校舎の一部を増築した経緯がある。今回の改築事業は元の校舎と増築した部分を合わせて改築するものだが、建設年度の関係から二つの建物の耐震度が違うことなどが理由で補助金も別々に支出される仕組みだという。
だが、市教委は元の校舎と増築した部分の補助金は単年度内に同時に支出されると見込んで当初予算に2億9000万円を計上していた。今年2月の県のヒアリングで一方の補助金は次年度に支出されることが分かり、定例会において1億2800万円の減額補正を余儀なくされた。
2億8000万円を投じる平良中の体育館改築事業は1億2300万円を減額補正。減額の要因について教育部は「国の財政上の問題と説明を受けている」などと述べ、国庫補助金支出が次年度に繰り越される経緯を説明した。
新しい体育館の竣工は当初見込んだ来年3月から同年9月にずれ込む見通し。
いずれの予算も市の債務負担行為によって次年度に予算計上される。このため竣工の時期は遅れても新校舎や新体育館の建設そのものは問題ない。
総務財政委は減額補正の理由をめぐって当局を追及した。曖昧な答弁に「生徒たちは校舎や体育館の竣工を待っている。その説明では納得がいかない」と詰め寄る場面もあった。
文教社会委員会は来月にも設置を予定する学校規模適正化に関する統合推進委員会(仮称)の予算案で質疑を行った。説明した教育部の与那嶺大参事は、同委員会では統合する中学校の校名や場所、校章などを決める組織であることを説明した。小学校の適正化に関する具体案に向けては①市教委で決定②教育委員会事務局で決定③学校規模適正化検討委員会での再検討および決定-の案を示した。
経済工務委員会では2件の議案を可決、市道B-59号線道路拡張整備に関する要請の陳情書も採択した。