10年度は140万円の黒字/博愛国際交流センター
経営改善も課題山積
2009年から行政主導でうえのドイツ文化村を運営している博愛国際交流センターの経営状況が上向いている。同年度まで赤字決算が続いたが、10年度決算で139万円の単年度黒字を計上した。ただ、累積赤字額は2800万円以上あるほか、施設への来場者は前年度に比べると減少しており、さらなる経営改善が望まれる。施設改修費など維持管理費も大きな課題として浮上している。
同センターは宮古島市から約2000万円の委託料を受けて運営しており、経営状況は開会中の市議会6月定例会に提出された報告書で示された。同年度の事業収入は4430万円で管理費や事業費を差し引いた利益は139万円だった。
09年から長濱政治副市長が理事長を務め、行政主導型の経営に変更。営業活動や企画力を高め、こいのぼりフェストにおいては移動遊園地を導入、警察との連携で白バイやパトカーの試乗体験も実施した。イルミネーションフェストでは電球の一部にLEDを使用してエコの島をPRしながら集客を図っている。
そのほかコストの削減を徹底。施設内の節電を中心に紙の再利用などに取り組んで支出を抑え、単年度黒字を計上するに至った。
ただ、これらの取り組みが目に見える形で集客数に反映されないなど課題は多い。建設から約20年の博愛記念館などには多くの改修費を投じており、改修費の財源も大きな課題だ。
21日の市議会の質疑では複数の議員からドイツ文化村への来場者の減少や経営状況を懸念する声が相次いだ。長濱副市長は「工芸村や海中公園に多くの観光客が訪れているように、魅力ある施設づくりに向けて理事会でも議論したい」と決意を示したが、課題は山積しているのが現状だ。