複式学級の解消を強調/市議会一般質問
小学統合で宮国委員長
開会中の宮古島市議会(下地明議長)6月定例会は28日、一般質問を行い、5氏が登壇して当局の姿勢をただした。質問は教育行政に集中し、小学校の規模適正化を推進する教育委員会の方針を与野党双方の議員が疑問視。「小学校については十分な議論が必要だ」と慎重な審議を求め、拙速な議論は避けるよう求めた。これに対して教育委員会の宮国博委員長は「小学校を複式学級のまま置いておくという立場には立てない」とする見解を表明。複式学級解消による充実した教育環境の重要性を訴えた。
学校規模適正化問題は佐久本洋介、下地博盛、砂川明寛、前里光恵の各氏が取り上げた。小学校の規模適正化については、地域事情を十分に考慮した議論の必要性を指摘した。小学校の適正化議論を先送りした学校規模適正化検討委員会の答申内容と異なる判断を下した教育委員会の姿勢にも疑問符を付けた。
下地氏は「児童生徒、父母や保護者から(学校の統合を求める)声が上がっていないにもかかわらず行政が率先してその議論を進めるのは乱暴であり拙速。こういうことを強権的に進めるのはいかがなものか」と当局を追及した。川上哲也教育長は「教育委員会の方針に沿って進めたい」と答弁して理解を求めた。
砂川氏は「(小学校の適正化議論に)市民は戸惑いを隠せない。中学校を進めてからでも遅くはない。統廃合ありきで進める必要があるのか」と質問。川上教育長は「社会への適応性や協調性、互いの切磋琢磨や向上心を高める教育のためには、一定の人数、複数学級の中での教育が必要であると考える。複式学級はむしろ小学校が多いことを勘案すれば中学校と並行して進めていくべき」と教育委員会の方針を示した。
前里氏は宮国教育委員長に答弁を求め、「検討委員会の答申内容を尊重すべきではないか。学校がなくなればどうなるか、均衡ある島の発展を掲げる市長方針との整合性もない。行政の視点だけで進めるようなことがあってはならない」と再考を促した。これに宮国委員長は「5400人の子どもたちの教育の条件、環境が平準化される形の教育行政の進め方が良かろうという考え方。従って複式学級のままで良いという考えには立っていない」とする方針を示し、適正化議論に対する理解を求めた。
この日の一般質問には4氏のほかに嘉手納学氏も登壇。それぞれ教育行政をはじめ、下地島残地利活用問題や観光行政、農林水産業関係の質問を行い、当局の考えを聞いた。